富士通(6702)を即損切り。自己株消却と調整後PERの見落とし

富士通

昨日、富士通のニュースを見てPTSで300株ほど飛びつきましたが、今日、冷静に一次情報を精査した結果、すべて損切りしました。

一見すると強烈な買い場に見えましたが、自分の前提がいくつか崩れていることに気づきました。なぜ「買い」だと誤認し、なぜ即座に逃げたのか。その理由を整理しておきます。

1. PER 13倍に含まれる「一過性の利益」

まず、指標としてのPERです。画面上では「13.3倍」程度と表示されており、日立(約28倍)やNEC(約21倍)と比較して異常に割安に見えました。

しかし、この分母となる利益には、子会社(新光電気工業)の売却益など、約1,500億円もの「一過性の利益」が乗っています。この売却益を除いた本業の実力(調整後利益)で計算し直すと、PERは20倍を超えてきます。

つまり、NECとほぼ同水準。「激安」だと思って飛びつきましたが、実際には「セクター内で妥当な株価」でしかありませんでした。表面的な数字に目が眩み、実力を精査しなかったのは反省点です。

2. 16%消却によるEPS成長という誤認

もう一つは、発表された「発行済株式の16.0%消却」の捉え方です。「株数が16%減るなら、1株利益(EPS)も同等に跳ね上がる」と短絡的に計算してしまいました。

ですが、今回消却される株のほとんどは、既に富士通が「自己株式(金庫株)」として保有していたものです。会計上、EPSの計算には最初から自己株式は含まれません。つまり、これを消却しても計算上のEPSは増えないのです。将来の売り圧力が消えるという需給面のプラスはありますが、期待していた「EPSの爆増」は自分の算数ミスでした。

3. 日立・NECと比較した富士通の立ち位置

もちろん、富士通という会社自体は依然として魅力的です。

  • 財務の軽さ: 日立やNECがネットデッド(純負債)状態で重い投資を続けているのに対し、富士通はキャッシュが豊富でバランスシートが軽い。
  • 将来性: 光半導体や量子コンピュータといった次世代技術への布石も打たれている。

こうした点を見れば、PER20倍でも長期的に持てる銘柄ではあります。しかし、今回の自分のエントリー根拠は「圧倒的な割安放置」と「還元によるEPSの急増」でした。その根拠が崩れた以上、一旦ポジションを閉じるのが筋だと判断しました。

まとめ:根拠が崩れたら即座に切る

今回、自分の精査の甘さを認め、即座に損切りを執行しました。

幸い、キャッシュの大部分は守ることができました。この痛みを忘れないうちに、次は表面的な指標ではなく、必ず「調整後」の数字を叩いてからエントリーするようにします。投資の世界に「うまい話」はありません。数字の裏側にある「質」を、自分の目で見極めていこうと思います。

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