今年の市場環境、私は一つの大きな前提を持っています。 それは、「構造的なインフレは、ほぼ間違いない」ということです。
長年染み付いたデフレマインドとおさらばし、「金利がある世界」がニューノーマルになる。人手不足は解消せず賃金は上がり、モノの値段も上がる。これはもう、不可逆的な流れだと見ています。
ただ、だからといって「株を買えば万々歳」という簡単な相場になるとは思っていません。金利が上がれば、借金漬けのゾンビ企業は退場を余儀なくされます。さらに、ここ数年の上昇相場の反動や、何らかのショックで、ドスンと来る「暴落」の可能性も十分にありそうだな、と警戒しています。
「インフレは続くが、荒波も来る」。 そんな認識のもと、2026年は攻めと守りのメリハリをつけた戦略で臨みたいと思います。
戦略の柱:「構造的インフレ」を味方につける
私の投資判断の軸は、今年もシンプルです。 「その企業は、インフレの波を乗りこなせるか?」
具体的には、この2点です。
- 深刻な「人手不足」を解決するソリューションを持っているか?
- インフレを価格に転嫁できる、強力な「価格決定力」があるか?
この視点でスクリーニングし、今年のNISA枠で狙う「攻め」の銘柄と、暴落時に拾う「守り」の銘柄を定めました。
攻めのNISA枠:アレント(5254)〜インフレ時代の「稼ぐ力」〜
まず、今年のNISA成長投資枠で主力として考えているのが、建設DXのアレントです。
建設業界の「2024年問題」は記憶に新しいですが、人手不足は今後さらに深刻化します。賃金が高騰する中、企業は「人を雇う」よりも「システムで自動化する」方が合理的になります。アレントの自動設計システムなどは、この巨大な需要のど真ん中にいます。
そして、私が一番惚れ込んでいるのが、彼らのビジネスモデルです。 単なる下請け開発ではなく、クライアントと収益を分け合う「レベニューシェア」型が多い。これはつまり、強烈な「価格決定力」を持っているということです。顧客が儲かれば自社も儲かる。
インフレ下で人件費が上がるほど、彼らのソリューション価値は相対的に高まります。NISA枠で保有し、数年単位での大きな成長(バガー)を狙いたい銘柄です。
虎視眈々と待つ:三井不動産(8801)〜暴落時の「守り」〜
一方で、「暴落もありそうだな」という警戒心に対して用意しているのが、日本最大の不動産会社、三井不動産です。
こちらは今すぐ飛びつくのではなく、市場全体がパニックになった時に「虎視眈々と拾う」ための監視銘柄です。
なぜ三井不動産か? インフレとは通貨の価値が下がることであり、相対的に「モノ(実物資産)」の価値が上がります。都心の一等地に莫大な不動産を持つ彼らは、インフレが進むほど、バランスシート上の「含み益」が膨れ上がっていきます。実質的な資産価値で見れば、どんどんバリュー株化しているとも言えます。
また、インフレになればオフィスや商業施設の賃料も上がります。特に彼らが持つプライム物件は需要が強く、値上げが通りやすい。金利上昇の逆風を補って余りあるでしょう。
「インフレ前提のストーリー」が崩れない限り、暴落局面は絶好の買い場になるはずです。
既存保有株の見通し:インフレ時代の通信簿
新しく狙う銘柄だけでなく、現在「1000万ガチホ枠」で保有している3つの主力銘柄たちが、インフレ環境でどう動くかも重要です。改めて点検してみましょう。
◎ L is B (145A):人手不足解消の「現場DX」はインフレに強い
現場向けビジネスチャット「direct」を展開するL is Bは、NISA候補のアレントと同じく「人手不足解消(労働代替)」の文脈で強い需要があります。賃金インフレが進むほど、現場の効率化ツールの価値は高まります。サブスクリプション型のビジネスモデルでストック収益が積み上がる点も、インフレ下での安定感につながると見ています。
◎ トーカロ (3433):代替不可能な「技術力」が価格決定力の源泉
半導体製造装置向けなどの溶射加工を行うトーカロ。彼らの強みは、他社には真似できない高度な技術力にあります。替えがきかない存在であるため、インフレでコストが上がっても、それを顧客に価格転嫁する力が非常に強い。インフレ時代を生き抜く「強い製造業」の代表格として期待しています。
△ KHネオケム (4189):ニッチトップだが、原材料高がコスト直撃
冷凍機油原料などで世界シェアが高いニッチトップ化学メーカーです。高いシェアを背景にした価格決定力はありますが、化学セクターは原油・ナフサ価格などのインフレ影響をコスト増として直接受けます。原材料コストの上昇スピードに価格転嫁が追いつくか、利益率が圧迫されないか。インフレ環境下ではシビアな監視が必要な銘柄として、警戒レベルを上げてホールドします。
結論:ストーリーが崩れなければ、この大枠で走る
まとめます。
- 前提: インフレは続くが、暴落も警戒する。
- 攻め(NISA): 人手不足を逆手に取るアレント。
- 守り(暴落待ち): 実物資産の王様、三井不動産。
- 保有株: L is Bとトーカロは強気。KHネオケムはコスト増を警戒しつつホールド。
もちろん、相場は水物です。日銀の動向や為替次第でシナリオ修正は必要でしょう。ですが、「構造的なインフレ」という大きな前提ストーリーが崩れない限り、2026年はこの大枠で走りたいと思います。


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