最近、ふとした瞬間に不安が頭をよぎる。 「今の日本株、個人の信用買い残がとんでもないことになってるけど、本当に大丈夫なのか?」と。
データを見れば一目瞭然だ。2024年、東証の信用買い残高は一時4.9兆円という歴史的な規模にまで膨れ上がった。実に18年ぶりの高水準だという。 みんなが買っているから安心という「赤信号みんなで渡れば怖くない」状態なのか、それとも暴落へのカウントダウンが始まっているのか。
この漠然とした不安を解消するためには、歴史に学ぶしかない。過去のデータ(2006年、2013年、2018年)を紐解き、**「信用買い残が積み上がった後に相場はどうなったのか」**を自分なりに調べてみた。
そこにあったのは、目を背けたくなるような残酷な真実だった。以下、自戒を込めて記録しておく。
1. そもそも、なぜ「信用買い残」が増えるとヤバイのか?(自分用復習メモ)
基本メカニズムのおさらいをしておく。
信用買い残が増えるということは、一見すると強気な人が多いように見える。だが、構造的には「将来の売り圧力」が積み上がっていることに他ならない。
制度信用取引には「6ヶ月」というタイムリミットがある。 株価が上がって利益確定の売りが出るなら、それは健全な消化だ。 問題は下がった時。含み損を抱えたまま期限が迫り、強制的に売らざるを得なくなる。これが将来の強烈な暴落圧力になる。
特に高値圏で積み上がった信用買いは、相場が少し崩れると「シコリ玉(含み損ポジション)」に変わる。株価が戻ろうとしても、「やれやれ売り」が降ってくるから、上値がとてつもなく重くなる原因になるんだ。
2. 歴史は繰り返す:過去のピーク時、何が起きたか?
今回の4.9兆円と同じくらい信用買い残が積み上がった過去の局面を振り返ってみた。結論から言えば、**ほぼ例外なく「暴落」または「長期の低迷」**が待っていた。歴史は残酷だ。
ケース①:2006年 ライブドア・ショック(新興市場崩壊)
当時の熱狂は覚えている人も多いだろう。小泉郵政解散での株高を受け、個人投資家が熱狂し、新興市場を中心にレバレッジ取引が急増した。 結果は、ライブドアへの強制捜査をトリガーに、マザーズ指数はその後数年で10分の1にまで崩壊した。 【自分への教訓】信用買い残が限界まで積み上がると、たった一つの悪材料が追証の連鎖を呼び、売りが売りを呼ぶパニック相場になる。
ケース②:2013年 アベノミクス相場(バーナンキ・ショック)
アベノミクス初期の急騰で、全員が含み益状態になった時だ。 結果は、5月23日、たった1日で日経平均が7.3%(1,143円)も暴落した。 【自分への教訓】「まだ上がる」という楽観がピークに達した時こそが天井。ヘッジファンドはそういう個人がパンパンに膨れたところを狙い撃ちしてくる。
ケース③:2018年 米中貿易摩擦(窒息相場)
これは記憶に新しい。株価が下落しているのに、個人が「押し目買い(ナンピン買い)」を積み増し続けた。 結果は、上値が重く、真綿で首を絞めるようにダラダラと下がり続ける展開。最後はクリスマス・ショックでトドメを刺された。 【自分への教訓】需給が悪い状態での押し目買いは、「底割れ」のリスクを高めるだけだ。絶対にやってはいけない。
3. この歴史的危機に対する、私の現実的な戦略
これらの歴史的事実を見るにつけ、今の水準がいかに危険水域にあるかを痛感する。楽観は禁物だ。
では、この状況下でどう動くべきか。 私が重視しているのは、市場全体の需給バランスを示す「信用倍率」だ。現状、これが歴史的に見ても高い水準(例えば5倍前後など)で推移しており、個人投資家のポジションがパンパンに膨れ上がっていることを示唆している。
この状態で買い向かうのは、火薬庫の前で焚き火をするようなものだ。
狙うは「信用倍率4倍割れ」のタイミング
理想を言えば、過去の底打ち局面のように、セリングクライマックス(投げ売り)が起きて、信用倍率が「3倍割れ」や「2倍台」まで低下するような決定的なアク抜けを待ちたい。それが最も安全だ。
しかし、ここ最近の相場を見ていると、待機資金が多いせいか、そこまで深く調整せずに反発してしまうケースも多い。あまりに理想的な底を追い求めすぎると、それはそれで機会損失になってしまうリスクもある。
そこで、私は現実的な妥協点として、一つの基準を設けることにした。
「市場全体の信用倍率が、明確に4倍を割り込んだタイミング」
ここを、買いの検討を開始するラインとしたい。 もちろん「4倍」でも平常時よりは高い水準だが、現在の異常な高水準からここまで調整が進めば、ある程度のガス抜き(投げ売りによる需給整理)は完了したと判断できるだろう。
本音と焦り、そして自制
今日はクリスマスイブ。もうすぐ新しい年が始まる。 本音を言えば、せっかくの新NISA枠を早く使いたいという気持ちが強い。できれば来年1月か2月ぐらいの早いタイミングで、相場がうまいこと調整してくれて、「4倍割れ」の基準をクリアしてくれればベストだ。そこで狙っていた銘柄をNISA枠で仕込めれば、精神的にも楽になれる。
しかし、歴史が教えてくれる通り、需給が悪い時の焦りは禁物だ。
「休むも相場」。 自分の設定した基準(4倍割れ)に来るまでは、逸る気持ちを抑え、キャッシュポジションを維持してじっと耐える。市場が自分の都合に合わせて動いてくれるとは限らないのだから。
歴史的な警鐘を鳴らすデータと、自分の感情。この間冷静にバランスを取りながら、虎視眈々と「その時」を待つことにする。


コメント