【銘柄分析】L is B:業績絶好調&利益倍増シナリオ。しかし立ちはだかる「金利上昇」という巨大な壁。

L is B

ここ最近の株式市場、特にグロース株にとっては厳しい環境が続いていますね。

さて、そんな中でも私のポートフォリオにおいて、今、企業としての輝きを増している銘柄があります。それが「L is B(エルイズビー)」です。

業績はそのものは絶好調。さらに「値上げ」という強力な材料もあり、来期は利益が倍増するシナリオすら視野に入ってきています。本来であれば、ここはアクセル全開で「買い増し」といきたい局面です。実際、喉から手が出るほど欲しい水準に見えます。

ですが、正直なところ、買い注文のボタンを押す指が止まってしまいます。躊躇しているのです。

なぜか? それは、個別の企業努力ではどうにもならない、巨大な逆風がグロース市場全体に吹き荒れているからです。

そう、急速に進む「日本の金利上昇」です。

今日は、最高のポテンシャルを持つ銘柄を前にして、最悪のマクロ環境に悩む、そんな投資家のジレンマについて書いてみたいと思います。


なぜ「金利上昇」がグロース株にとって「逆風」なのか?

投資初心者の方の中には、「金利が上がると、なんでグロース株が売られるの?」と不思議に思う方もいるかもしれません。企業の成長力そのものが落ちたわけではないのに、なぜ評価が下がるのでしょうか。

少し分かりやすく説明してみます。

投資の世界では、「今日手に入る100万円」と「10年後に手に入る100万円」では価値が違うと考えます。

例えば、金利が年1%の世界だとします。 あなたが今100万円を持っていて、それを安全な国債で運用すれば、1年後には101万円になっています。つまり、「今の100万円」は「1年後の101万円」と同じ価値がある、ということです。

これが、金利が年5%の世界になるとどうでしょう。 今の100万円は、1年後には105万円になります。裏を返せば、「将来の100万円の価値(現在の価値)」は、金利が高いほど低くなってしまうのです。

【ここが重要!】

  • バリュー株(成熟企業): すでに今、たくさんの利益(現金)を生み出しています。→「現在の価値」への影響は比較的小さい。
  • グロース株(成長企業): 今の利益は少ないけれど、「将来(5年後、10年後)に莫大な利益を生み出すだろう」という期待で株価が買われています。

金利が上がると、グロース株が期待されている「遠い将来の利益」の価値が、現在時点で計算すると大きく目減りしてしまいます。

具体的な数字で見る「金利1%上昇」の破壊力(L is B編)

「将来の価値が割り引かれる」と言われても、ピンとこないかもしれません。 そこで、今年現実に起きた金利変化をベースに、私が期待している「L is B」のような高成長企業の理論株価がどう変わるのか、少し単純化したモデルで計算してみましょう。

※ここは少し算数の話になりますが、結論の数字だけでも見ていってください。衝撃的な結果になります。

【計算の前提条件】

  1. 金利の変化: 今年1年間で、日本の10年国債利回りは約**1%から2%**へ上昇しました。
  2. 対象企業の成長率(L is Bのイメージ): 今後3年間は、毎年**20%**という高い成長を続けると仮定します。(私がL is Bに期待している最低ラインです)
  3. 投資家の期待リターン: 「国債金利」に、株のリスクに対する上乗せ分(プレミアム)として「6%」を加えたものを、投資家が期待する利回りとします。

さて、この条件で理論株価はどう変わるでしょうか?

【ケースA:1年前(国債利回りが「1%」の時)】

投資家がこの株に期待するリターン(割引率)は、「国債1% + 上乗せ6% = 7%」です。

しかし、この会社の成長率は**20%**もあります。 成長率(20%)が期待リターン(7%)を大幅に上回っている状態です。

この場合、通常の簡易な計算式では株価が「無限大」になってしまうため、より実務的な計算(※)をすると、この企業の将来の利益には**「とてつもなく巨大な価値(プレミアム)」**がつきます。 (※専門的になりますが、最初の3年間は高成長、その後は安定成長に落ち着く「二段階成長モデル」などを使います)

感覚としては、**「将来の爆発的な利益を、ほぼそのまま現在の価値として評価してもらえる」**夢のような状態です。これが、金利が低かった時代のグロース株の強さの源泉でした。

【ケースB:現在(国債利回りが「2%」に上がった時)】

今年、国債利回りが2%に上昇しました。 すると、投資家が期待するリターンも底上げされ、「国債2% + 上乗せ6% = 8%」になります。

たった1%の違いに見えますが、これが劇的な変化をもたらします。 将来の利益を現在価値に割り引く「割引率」が7%から8%に上がったことで、遠い将来の大きな利益の価値が、ギュッと圧縮されてしまうのです。

高成長企業(年率20%成長)の場合、この割引率が1%上がるだけで、理論株価は**「約30%〜40%」も下落**してしまう計算になります。(※モデルの前提によって数字は変動します)

【結果:衝撃の結末】

  • L is Bの業績期待(年率20%成長)は1ミリも変わっていません。
  • しかし、世の中の金利がこの1年間でたった1%上がっただけで、理論上、株価の価値は3割〜4割も吹き飛んでしまう計算になるのです。

まとめ:L is Bへの投資判断とジレンマ

これが、今グロース市場で起きている「逆風」の正体であり、私が買い増しをためらっている最大の理由です。

特にL is Bのような「将来の高成長」が期待されている銘柄ほど、この金利上昇による理論株価の押し下げ効果をモロに受けてしまいます。

個別の業績は「利益倍増」が見えるほど絶好調。 しかし、マクロ環境(金利上昇)による「理論株価の強制的な切り下げ」という強烈な向かい風。

本当なら、今の株価水準はバーゲンセールに見えるので、もっと積極的に買い増したい気持ちでいっぱいです。

しかし、来年もこの金利上昇トレンドが続き、グロース市場全体がさらに厳しい状況(極端に言えば「死ぬ」ような状況)に追い込まれるリスクを考えると、全力でアクセルを踏むのを躊躇してしまいます。

最高のファンダメンタルズを持つ銘柄を、最悪のマクロ環境の中でどう評価し、どうポジションを取るべきか。 投資家として、非常に悩ましく、難しい判断を迫られる局面が続いています。

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