株式投資の世界には、プロの機関投資家や凄腕の個人トレーダーがひしめいています。そんな猛者たちと同じ土俵で戦って、資金力も知識も劣る個人投資家が勝ち続けるのは至難の業です。
では、私たちのような普通の個人投資家が勝つためには、どうすればいいのでしょうか?
一つの答えは、「プロが来ない土俵で戦う」ことです。
個人が勝てる条件:「時価総額が低く、流動性がない」場所
逆説的に聞こえるかもしれませんが、資金の少ない個人が勝ちやすいのは、以下のような条件が揃った場所だと私は考えています。
- 時価総額が極めて低い(例えば数十億円レベル)
- 流動性がほとんどない(毎日の売買高が少ない)
なぜなら、こうした銘柄には「大口投資家」や「プロ」が入ってこないからです。彼らは運用資金が巨額なため、時価総額が小さく板が薄い銘柄では、自身の買いで株価を吊り上げてしまったり、売りたい時に売れなかったりするため、そもそも投資対象として見ていません。
つまり、ここは「プロ不在のブルーオーシャン」なのです。
強烈なデメリットを理解し、逆手に取る
もちろん、この戦略には強烈なデメリット(リスク)が伴います。
- 「逃げられない」リスク: 流動性がないため、何か悪材料が出て株価が急落した際、売り板がなくて損切りしたくてもできない(売り抜けるのに時間がかかる)という恐怖があります。
- 底なし沼のリスク: 万が一、大幅な赤字決算などを出すと、買い手が完全に不在となり、株価がどこまで下がるか分からない状態になります。
しかし、このデメリットを正しく把握した上で、「少なくとも倒産や大幅な赤字はなさそうだ」と判断できる銘柄を選び、リスク管理を徹底すれば、勝機は見えてきます。
注目度が低い分、株価は割安に放置されがちです。そこを安値で拾い、「時間軸を長めに持って、じっくり待つ」。これこそが、資金の少ない個人がプロに勝てる有力な戦略の一つだと私は確信しています。
今回ご紹介するコレックホールディングス(6578)のトレードは、まさにこの戦略の実践記録です。時価総額は約20億円(※執筆時点)。市場の片隅にあるこの銘柄で、どのようにしてトータル約70万円の利益を上げたのか、その全貌を公開します。
そもそも、なぜこの銘柄を買ったのか?
私が当時、コレックHDに目をつけた最大の理由は、単に時価総額が低いからだけではありません。
「赤字から黒字へ転換する、一番株価が上がりそうなタイミング」が来ていたからです。
不人気な小型株は、業績がパッとしない間は見向きもされませんが、ひとたび黒字化や業績回復の兆しが見えると、株価が敏感に反応することがあります。私はその転換点をずっと監視していて、「今がその時だ!」と判断してエントリーしました。
結果的に、その後の株価の上下動の波にうまく乗ることができたのは、この初期の狙いが的確だったからだと考えています。
実際のトレード全記録(約1年間の戦い)
今回のトレードは、大きく分けて3つのフェーズで進行し、トータルで約70万円の利益を出すことができました。
▼トレードの全体像(TradingView) (※チャート上の青い「IN」が買い、水色の「OUT」が売りです。1年かけて安値で仕込み、高値で売るを繰り返したのが分かります)

第1フェーズ:完璧なスイングトレードで利益確保(1月〜3月)
まずは、年初の安値圏で大きく仕掛けました。
- 第1波(メイン利益):
- 買い: 1月中旬、株価240円〜242円の底値圏で、一気に4,000株を買い集めました。(取得コスト約96万円)
- 売り: 1ヶ月後の2月下旬、株価が270円〜280円へ上昇したタイミングで全売却。
- 結果: +141,200円 の利益確定。理想的なスイングトレードができました。
- 第2波(追撃):
- 3月に入り、再度チャンスを見て500株を購入。直後に株価が350円近くまで急騰したため、高値で売り抜けました。(+39,180円)
ここで一旦利益を確保し、気持ちに余裕が生まれました。
第2フェーズ:急騰売り抜け&安値仕込み(4月〜8月)
ここからがこのトレードの真骨頂です。
- 急騰売り抜け(4月):
- 4月中旬に平均328円で4,600株を再エントリー。直後に株価が430円台へ急騰したため、その日のうちに1,500株を利確。これで約15万円の値幅を確保しました。
- 我慢の買い増し(5月〜8月):
- その後、株価は下落しましたが、投げ売りはしません。「誰も見ていない株」は、下がった時こそがチャンスだからです。
- 5月、7月と株価が下がるたびに買い増しを実行。
- 最大の勝負所は8月。株価が240円台まで下がった底値圏で、2,200株を一気に追加しました。
- この判断が大正解。これにより、保有7,000株の平均取得単価を290円台まで下げることに成功しました。
第3フェーズ:満を持しての大収穫(翌年4月)
あとは、株価が戻るのをじっと待つだけです。
そして約1年後、春の上昇タイミングが訪れました。保有していた7,000株すべてを平均348円前後で売却。8月の安値仕込みが最大限に効いて、ここでも約35万円の利益が乗りました。
なぜ「今」は持っていないのか?
これだけ利益を出せた相性の良い銘柄ですが、現在、私はコレックHDの株を1株も保有していません。
その理由は明確で、私がエントリーした前提が崩れてしまったからです。
最大の要因は、子会社で不正が発覚し、再び赤字に転落してしまったことです。
さらに、その後の事業の見通しも不透明になってしまいました。会社側は今後、太陽光事業やリフォーム事業などをやっていくと発表していますが、果たしてそれが本当に黒字化につながるのか?余剰人員の問題はどうなるのか?
現時点では「全くわからない」というのが正直なところです。
私が狙うのはあくまで「赤字から黒字への転換点」であり、先行きが見えない赤字企業を持ち続けるリスクは負えません。だからこそ、春の上昇タイミングできっぱりと全株を利益確定し、撤退するという判断を下しました。
まとめ:小型株は「農耕型」トレードで勝つ
今回のトレードは、派手さはありません。しかし、流動性が低く、誰も見向きもしない銘柄だからこそ、焦らず安いところで種をまき、じっくり育てて収穫するという「農耕型」の投資がハマりました。
- 安値で仕込む勇気を持つこと。
- 流動性リスクを理解し、資金管理を徹底すること。
- そして何より、気長に待つこと。
これができれば、時価総額20億円の超小型株は、実はトータルで70万円もの利益を生み出す「儲けやすい」市場なのかもしれません。
皆さんの銘柄選びの参考になれば幸いです。
※投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の銘柄を推奨するものではありません。


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