保有している株式会社SHIFT(3697)の第1四半期決算が発表されました。
決算短信の表面的な数字を見ると、営業利益は前年同期比で19.9%減となっており、成長が鈍化したかのような印象を受けます。実際、PTS(夜間取引)では一時大きく売り込まれる場面がありました。
しかし、決算資料の中身を精査した結果、中長期的な視点ではポジティブな内容であると判断しました。PTSでの下落を好機と捉え、買い増しを行いました。
そのように判断した主な理由は以下の3点です。
1. 減益の主因は将来に向けた「採用投資」
営業利益が減少した最大の要因は、将来の成長基盤となる人材採用への投資を積極的に行ったためです。
決算説明資料によると、採用費は前年同期比で131.4%増(約2.3倍)となっており、金額にして約9億円増加しています。売上総利益自体は前年同期比でプラス13億円と順調に推移しており、本業で稼ぐ力は衰えていません。
稼いだ利益を、あえて今後の成長のために人材獲得へ投じた結果の減益であり、ネガティブな要因ではないと捉えています。
2. 大規模な自社株買いによる株主還元姿勢
今回の決算と同時に、最大100億円(発行済株式数の約3.0%相当)の自社株買いが発表されました。
会社側は資料の中で、現在の株価が想定する期待株価に対して割安であるとの認識を示しています。これほど大規模な自社株買いは、経営陣による株価の先行きに対する自信の表れであり、需給面での強い下支え要因になると考えられます。
3. 合理的なM&Aと今後の成長戦略
売上高約200億円規模のニッセイコム社の買収も発表されました。これにより、来期以降の売上規模は大きく拡大する見込みです。
買収価格はEBITDAマルチプルで約5.3倍と、一般的な相場と比較して割安な水準に抑えられています。ここにSHIFTの強みである単価向上や採用力強化のノウハウを適用することで、さらなる収益性向上が期待できます。
また、既存事業におけるプロジェクト単価の上昇トレンドは継続しており、今後は開発・テスト工程へのAI導入による利益率の改善計画も示されました。
結論:一時的な評価減は買いの機会
表面的な減益決算を受けてPTSでは売りが優勢となりましたが、これは短期的な視点に基づく反応である可能性が高いと見ています。
中長期的な視点に立てば、積極的な人的投資、大規模な自社株買い、そして合理的なM&Aといった施策は、今後の企業価値向上に寄与するものです。
成長シナリオは崩れておらず、むしろ強固になったと判断し、予定していた投資枠を活用して買い増しを行うこととしました。
ただし、鵜呑みは厳禁。「口だけ」か見破るための今後の監視ポイント
ここまで「買い」の材料を並べましたが、私はSHIFTを盲信しているわけではありません。 昨年の下方修正の件もあります。「また裏切られるのでは?」という警戒心は常に持っておくべきです。
会社が描いたV字回復シナリオが「本物」か「絵に描いた餅」か。 次の第2四半期決算(4月中旬発表予定)で、以下の3つの数字がクリアできているか必ずチェックしてください。これが投資家にとっての「答え合わせ」になります。
① 「粗利率」は34%台に戻ったか?
今回の減益の言い訳は「新人が育つまでの教育期間だから」でした。 会社は「12月には稼働率が回復する」と断言しています。
- Q1実績: 32.5%(ここが底)
- 合格ライン: 34.0%以上
もしQ2になっても33%以下で低迷しているなら、「採用したけど仕事がない(需要不足)」という構造的な問題が起きている可能性があります。その時は、私は容赦なく手放す判断をするかもしれません。
② 「単体売上」は248億円を超えたか?
会社は今回、珍しくQ2の具体的な売上目標レンジを公表しました。自信の表れですが、逆に言えば「これを外したら言い訳できない」数字です。
- 会社目標(単体): 248億円 〜 252億円
- 合格ライン: 248億円の必達
この下限(248億円)すら未達なら、営業改革がうまくいっていない証拠です。
③ 「自社株買い」をサボっていないか?
「最大100億円」とブチ上げましたが、枠だけ設定して買わない「やるやる詐欺」の可能性もゼロではありません。 SHIFTは毎月、自社株買いの状況を開示するはずです。
- チェック方法: 毎月数億円〜十数億円規模でしっかり買いつけているか。
株価が安いと言いながら会社が買っていないなら、それは「会社自身もこれ以上上がらないと思っている」何よりの証拠になってしまいます。
結論:厳しく監視しつつ、果実を待つ
「会社の方針(M&A・採用)は全面的に支持する。だが、結果(数字)が出るまでは気を緩めない」
この「3つの監視ポイント」さえクリアし続ければ、株価はあとから勝手についてくるはずです。 今はパニック売りに付き合わず、冷静に4月の通信簿(決算)を待ちましょう。
(※投資は自己責任でお願いします。)

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